今回はコンチネンス基礎講座『排尿編』を看護師・介護士様など多くの専門職の皆様と基礎知識を学びました。会場は、参加者の看護・介護に繋げようという皆様の熱心な姿と講師の先生からの実践に沿った内容にあっという間に時間が流れていきました。
小林信也先生から「排尿の基礎知識・排尿のメカニズムと排尿障害について」ご講義いただきました。解剖から始まり、排尿の異常を見るときのコツは正常を知ること、そして下部尿路機能障害の原因・治療・排尿障害における誤解と排尿障害について学びました。 解剖では腎臓から尿道までの絵を描いてみようとうお題に、絵を描けない!正常を知らなければ異常を比べることはできないという、知っていたようで知らない、やっていたようでやっていない事実にハッと気づかされたのではないでしょうか。また、問診の仕方では、患者様・ご利用者様個々に表現の仕方が異なるので注意を要する事など、排泄は個別性や自尊心に配慮した関わりが必要であることを改めて考える機会になりました。
大科宣子先生から「排尿ケア」についてご講義いただきました。
コンチネンスケアはアセスメントから始まる、問題に気づき、現状を正確に把握し、問題の原因を見極め、誰にとってどんな問題かを整理し、ニーズを正確につかむというアセスメントの入口から、プラン【対処の原則の優先順位】治療→治療とケア→ケアとマネジメント、実践、評価について学びました。
排泄ケアはその方らしく、その方が望む生活が守られるもの。その方の生き方を支えるケア、その方の自立・尊厳をまもるケアになります。排泄行為のほとんどは、日常生活動作で成り立ち、人が生きる為の多くの営みや、身体的な機能・環境要因や本人の意思、意欲に大きく影響されます。私達の看護・介護を振り返る機会になりました。
展示業者様からは、患者・ご利用者・看護者・介護者の各視点のメリットデメリット、社会保障制度も交えて具体的に用具の活用についてご紹介いただきました。
どんなに年齢を重ねても、体が不自由になっても、失禁が人生に対して与えるインパクトは大きく、人としての尊厳がある限り、十分に配慮されるべきケアなのだと再認識しました。そして排泄は、生きている限り、食事や思考すること、呼吸することと同じように身体的にも生命を維持する上で重要な行為です。
だからこそ、例え失禁があったとしても、専門性の高いケアを提供することで、その方の生活の質を守り、支えたいですね。
12月4日(日)コンチネンス基礎講座in札幌「排便編」を開催いたします。
皆で楽しく排泄ケアについて学び、同じ思いを持つ仲間と出会えるチャンスです。
次回も多くの皆様の参加をお待ちしています。
NPO法人 日本コンチネンス協会 北海道支部 役員 清岡 恵